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■組み立て方の基本やコツを現役キッズダンス講師が解説
「キッズダンスレッスンって何をやるの?どう組み立てたらいいの?」
これからキッズ向けのダンスレッスンを持つことになり、このような不安や悩みを抱えているダンスの先生も多いでしょう。
小学校低学年から高学年のキッズにダンスを教えるとなると、上手くレッスンを進行できるのか不安になるはずです。
基本的なキッズダンスレッスンでは
「身体を温める・ほぐす・体幹を鍛える・基礎・応用・踊る・最後に整える」という大まかな流れで構成されています。
そのほかキッズ向けのダンスレッスンでは、挨拶・返事・傾聴など“礼儀やマナー”も身に着けてもらえるようなアプローチがあると良いでしょう。
この記事では、キッズ向けダンスレッスンの基本的な組み立て方やコツについて解説します。
■キッズダンスレッスンの長さ・時間配分について
キッズダンスレッスンを組み立てる時にまず重要なのが「長さ」と「時間配分」です。
ここでは、小学校低学年~高学年のキッズダンスレッスンの長さと、レッスンの中での時間配分について基本の型を紹介します。
◇レッスンの長さ
ダンスレッスンには「60分レッスン」と「90分レッスン」という2つのパターンがよくあります。
小さな子ども向け(未就学児など)の場合、集中力や体への負担も考慮し「60分レッスン」あるいは60分以下にすることもありますが、
ある程度集中も続くようになってきた小学生のレッスンなら「80~90分レッスン」でもよいでしょう。
生徒本人たちの気持ちや経験などに応じて最適な時間は変わってくるため、様子を見て決めてみてください。
場合によっては、レッスンの長さでクラス分けをしてみてもいいかもしれません。
◇時間配分
「80~90分レッスン」の場合、時間配分は以下のようにするのがおすすめです。
・挨拶とお話:5分
・ウォーミングアップ:15~20分
・筋トレ:5~10分
・基礎:10~15分
・コンビネーション(振り入れ):25~30分
・コンビネーションを通す:10分
(参加人数により複数回に分ける場合もあるため、余裕をもって設定しておく)
・クールダウン:5分
あくまで例のため、クラスの雰囲気や目標などに応じて時間配分を工夫してみてください。
また、キッズはやる気や気持ちに波があっても自分でコントロールできないことが多いため、日によっては計画が大幅に崩れることもあります。
計画が崩れる可能性をあらかじめ想定し、臨機応変に対応できるよういくつかプランを準備するのがおすすめです。
■キッズダンスレッスンの基本的な組み立て方・内容
ここでは、キッズダンスレッスンの基本的な“組み立て方”や“内容”を解説します。
◇挨拶・お話
小さい頃に培ってきたものはその先の人生に大きく影響するからこそ、「挨拶」や「お話を聞く姿勢」などは身に着けてもらいたいものです。
キッズのレッスンでは「挨拶・お話」の時間も大切にすると良いでしょう。
“挨拶は人の顔を見てしっかり声を出してする”
“人の話をよく聞く”
上記のように、先生自身が挨拶やお話を聞くときなどに大切にしていることを、諦めず伝え続けてあげてください。
◇ウォーミングアップ
ウォーミングアップでは「動的ストレッチ」を取り入れるのがおすすめです。
座って筋をゆっくり伸ばす「静的ストレッチ」は身体を緩めすぎてしまい、ダンスの前のストレッチにはあまり適さないと言われています。
ダンスの前のウォーミングアップでは、心拍を上げて身体を温めていく「動的ストレッチ」をするのがおすすめです。
また、キッズのレッスンでは特に、動きを分かりやすく言語化してあげることを心がけましょう。
◇筋トレ
「ダンスに必要な筋肉」を鍛えたいのか?「忍耐力や集中力」を鍛えたいのか?目的をもって筋トレのメニューを決めるのがおすすめです。
ダンスに必要な筋肉を鍛えたい場合、見せかけの筋肉をつけるための筋トレはダンスにあまり向きません。
ダンスでボディコントロールをするために必要な筋肉は、ダンスをすることで身についてくるものです。
ただキツさを求める筋トレではなく、
ダンスに必要な体幹・腸腰筋・背中の意識・お腹の引き締めなどが鍛えられる筋トレをまずは研究することから始めてみましょう。
しかし、「忍耐力や集中力」を鍛えたいときは少々負荷の高めな腹筋・背筋・プランクなどの筋トレをしてみてもいいかもしれません。
明確な目的をもって筋トレのメニューを組んでみてください。
◇基礎
アイソレーション・スタイリング・バーレッスン・リズムトレーニングなど、基礎にはさまざまな種類があります。
キッズのダンスレッスンでは、基礎を“楽しく”できる工夫も意識してみましょう。
特にキッズのレッスンでは、基礎に苦手意識がある子もいます。まずは「流れをルーティン化する」こと。
そして「子供たちが喜ぶポイントを作る」ことを意識して基礎トレーニングを組み立ててみてください。
◇コンビネーション(振り入れ)
コンビネーションの時間は、“振り付けを一つ一つ分解し言語化”して教えるのはもちろん、「キュー出し」も意識して進めてみてください。
「キュー出し」とは、次に来る振りの動きをフライングで伝えることです。
「次は手を上げて!」「ジャンプ!」「次、右足から!」など、分かりやすい言葉で早めにキュー出しをしてあげてください。
また、ダンスの経験が少ないキッズは、振りを覚えるのが苦手な子もいます。
足・手・顔の動きをそれぞれ分解・合体を繰り返して教えていくと進めやすいです。
もしも計画したところまで振り付けが進みそうになければ、無理に進めようとせず、振りを変更したり減らしたりしてみてください。
キッズのダンスレッスンでは、振り入れでも臨機応変に、生徒たちの顔色を見ながら進めていきましょう。
◇コンビネーションを通す
振り入れを終えたら、最後にコンビネーションを通します。2~3回通せるくらい時間の余白を空けておくのがおすすめです。
1回通す毎に1褒め&1ポイントアドバイスを取り入れてみてください。キッズたちの気持ちを高めることにも繋げられます。
◇クールダウン
最後はしっかりクールダウンをして、呼吸と身体を整えましょう。
激しい運動のあとは、筋肉の緊張を和らげたり呼吸で酸素をよく取り込んだりすることで、疲労物質を排出できると言われています。
また、クールダウンをしないまま運動を急に止めると、血液循環にも悪影響となり体調不良にも繋がる可能性があります。
つい気持ちが高ぶり、コンビネーションに時間をかけてクールダウンを怠ってしまいがちですが、
できる限りクールダウンは取り入れるようにしましょう。
◇挨拶
キッズのダンスレッスンでは、最初と同様で最後の挨拶も大切にしましょう。
挨拶の際、レッスンを通した感想やメッセージも伝えてあげるのがおすすめです。
・今日のレッスンを見ての感想
・ここよかった!ここもっと!というポイント
上記のように、挨拶にプラスして1メッセージ伝えるというのをぜひやってみてください。
■まとめ
キッズのダンスレッスンは、集中力や苦手に対する向き合い方など、一筋縄ではいかない要素も多く出てくるでしょう。
キッズにダンスを教えるのが初めての方は、苦戦することも多いかもしれません。
しかし、回数を重ねていくことでだんだん視野も広がり、臨機応変な対応力も身に付いていきます。
本記事で紹介したようなレッスンの組み立て方・構成を取り入れつつ、レッスンをしながら生徒さんをよく観察して、
研究しレッスンを楽しんでいきましょう。
記事を書いた人
舘明奈(たて あきな)
ダンスインストラクター
映画「チア☆ダン」のモデルとなった福井県の高校生チアリーダー部JETSの卒業生であり、
ダンスインストラクターとして活動するWebライター兼Webディレクター。
もとは動物看護師として就職していたが、やりたいことを思いっきりやる働き方を目指し、在職中にWebライティングを学び始める。
学び始めて3カ月で独立し、2022年にフリーランスに転身した。
今はWebライター・Webディレクターとして活動するかたわら、
高校時代の同期が主催するダンススクールにてチアダンスとJAZZダンスのコーチ(インストラクター)を務める。
子供たちの個性がすくすく育つスクールを目指して日々指導にあたっている。
ステージムービーでは、ダンス発表会の動画撮影・DVD制作をしています。
専用の機材を用いてカメラマンが発表会の会場に出向き、ご要望に合わせて映像を撮影します。
撮影後の編集もこちらで承りますので、きれいな映像を記録したい方に最適です。
興味を持っていただけたら、まずはお気軽にご相談くださいませ。