ピアノの発表会が近づくと、生徒さんから「どんな衣装を着たら良いですか?」と質問されることはありませんか。
冠婚葬祭にふさわしい服装があるように、ピアノの講師として、発表会に合った衣装をきちんとすすめたい……。
「発表会は演奏が第一」とはいえ、動画や写真に残ったとき、「着てよかった」と思ってもらえたら嬉しいですよね。
今回は、舞台で映えるステージドレスの選び方についてご紹介します。
ドレス選びに迷っている生徒さんへのアドバイスとして、参考にしてみてくださいね。
Contents
舞台ではどんな色が映える?
演奏メインの発表会でも、客席に与える印象は衣装の色によっても変化します。
まずは舞台上でおすすめの色から選んでみましょう。
1.舞台上でおすすめのカラー、映えるテク
①顔が綺麗に映る、白~ペールトーンの色
写真スタジオなどで撮影する際に、大きな白い背景の前で撮った経験はありませんか。
白は光を反射してくれるので、室内光でも表情が綺麗に撮影できるため、使用されているのです。
その効果を使って、着ている物を白系にすると顔色がパッと明るく見せることができます。
ステージの照明は少し暗めですし、ピアノは黒…ということで、白や淡い色合いは舞台映えも狙えるカラーといえます。
この白~ペールトーンのドレスは、集合写真でも目立つ色合いですから、その点をおすすめするのも良いでしょう。
②ステージではっきりと映る、原色
赤や青、黄色や緑などの原色はビビッドカラーとも言われ、客席から見たときにとても目立ちますね。
小学生くらいのお子さんにも人気のカラーですが、ドレスだからこそ大人の方も挑戦できるカラーです。
赤は曲のイメージとして選ばれることも多いですし、青は落ち着いたイメージなので高学年以上で多く着用されています。
オレンジも素敵ですが、色合いによっては舞台の木目と重なってしまう可能性があるので、注意が必要です。
発表会の集合写真でのエピソードですが、目立つドレスを着ている生徒さんはカメラマンに
「○○色のドレスのお子さん~」と撮影のポイントになることもありますね。
私はいつも微笑ましく見ております。
③黒を選ぶなら装飾があるものを
黒はピアノと同じだから目立たないのでは?と思いますが、そんなことはありません。
光沢のある素材のものや、スパンコール、ラメなどが使われたものを選ぶことで、照明を反射して輝く効果があります。
上半身に装飾があるもの、ピアノに座ったとき、客席側に装飾がくるものは演奏中の写真やDVDに映ります。
また、髪型やアクセサリーで華やかさをプラスするのもポイントです。
④ゴールド、シルバーはデザインで上品に
普段着ることのないゴールド、シルバーもドレスならチャレンジできるカラーです。
あまりギラギラしたものは品がない印象になりますから、逆に光沢のおさえたものや、
上半身部分が黒でスカート地はゴールド、グレーをメインにシルバーの装飾など、落ち着いた色をおすすめしましょう。
2.曲のイメージに合わせたカラーも考慮に
曲の雰囲気に合った色を選ぶことも、素敵ですね。
小学校高学年以上の生徒さんなら、曲のイメージをふくらませるというレッスンの一環として、色の選択を提案しても良いでしょう。
たとえば、曲の題名が海や水を題材にしたものならブルー系、ソナチネやワルツ等なら曲の雰囲気から選ぶこともできますね。
シックな色なら重厚、パステルのような色は軽やかなイメージ……というように、これらは多くの人が共通して感じる印象です。
それを踏まえた上で、曲との調和を考えるのもドレス選びの楽しいポイントになります。
素材にもこだわって選ぶ
映えを狙うなら、キラキラと照明を反射する素材や装飾は外せません。
とてつもなくギラギラするものでなく、一般的に洋服の装飾として使われているスパンコールやラメなどの飾りをおすすめしましょう。
また、シンプルなデザインでも光沢のある生地を選ぶだけで充分、存在感があります。
逆に、光沢を抑えたい場合は、オーガンジーやチュールが使われたものがおすすめです。
バロック期のものならジャガードなど織模様のもの、刺繍のされたものなど、素材感にこだわっても素敵ですよ。
ドレスの丈は?
小学生低学年くらいまでは歩きやすさを考えて、ひざ下くらいだと良いでしょう。
座るときにスカートの下が見えないくらいの丈です。
小学校高学年から中学生くらいはふくらはぎ丈がおすすめです。
こちらもやはり歩きやすさとペダリングを考慮しての丈ですが、慣れているならばロングでも構いません。
椅子の調整なども自分ひとりでできる年齢ですが、足台が必要な生徒さんもいます。
座る際に裾を踏んでしまうことがあるので、スカートの持ち上げ方などをアドバイスすると安心です。
高校生から大人の方はふくらはぎ~ロングが良いでしょう。
座った姿勢で足が多く見えてしまうドレス、スリットが深く入っているドレスは避けた方が無難です。
裾の長いドレスが初めての生徒さんには、あらかじめ教室のレッスンで着てリハーサルできるとさらに安心ですね。
ロングドレスのシルエットのおすすめは?
あまりドレスに慣れていない生徒さんには、一般的なAラインのドレスをおすすめしましょう。
Aラインは上半身が見ごろにぴったり、ウエストから裾にスカート部分が広がるシルエットで、ステージドレスでは最も多いデザインです。
ピアノ演奏ではペダルを使うため、足回りが動かしやすいこともおすすめの理由です。
スカートにボリュームがあるドレスには、パニエを履くことをアドバイスしましょう。
最後に・・・選ぶときに大切なこと
大切なことは、着る方自身が「着たい!」と思うドレスであるということです。
舞台に立つ生徒さんを奮い立たせてくれるような衣装が見つかりますように……。
発表会が素敵な時間となることを願っています。
記事を書いた人
小沼雅美
大手音楽教室ピアノ講師・中学校吹奏楽部指導員
音大在学時から現在にいたるまで、さまざまな角度でピアノ教育を研究。音楽の講師をしながら、音楽・子育て関係のウェブコラムを執筆している。
5歳になるわが子もピアノレッスンをスタート……にも関わらず、親の心子知らず、息子はピアノよりもテレビに向かう日々。
ステージムービーでは、ピアノ発表会の動画撮影・DVD制作をしています。
専用の機材を用いてカメラマンが発表会の会場に出向き、ご要望に合わせて映像を撮影します。
撮影後の編集もこちらで承りますので、きれいな映像を記録したい方に最適です。
興味を持っていただけたら、まずはお気軽にご相談くださいませ。